久しぶりに今池の交差点を通ったら、あの背の高い真っ黒なマンションがそびえ立っていて、その存在感に圧倒されました。地元の方は、もうあの景色を見慣れましたでしょうか?
今池の『ザ・ファインタワー』や、池下の『グランドメゾン』など、ここ数年で千種区周辺の景色はずいぶん変わりましたね。
そんな景色を見ながら、ふとこんな話を思い出すオーナー様も多いようです。
オーナー様の声
「そういえば昔、ああいう高いマンションを買うのが『タワマン節税』だって流行ったよな」
「でもニュースで『あれはもうダメだ』って聞いた気がする」
「じゃあ今は何がいいんだ? 最近よく聞く『小口(こぐち)なんちゃら』のほうがいいのか?」
私の事務所(本山駅のすぐ近くです)にいらっしゃる地主様やオーナー様からも、最近そんなご相談をよくいただきます。
結論から言いますと、「これさえ買っておけば安心」という魔法のような商品は、もうありません。
今日は難しい税金の計算式は脇に置いて、今、不動産と相続の世界でなにが起きているのか。専門用語を使わずに、少し整理してみましょう。
監修:佐治 英樹(税理士・宅地建物取引士)
STF PropTech 監修。名古屋・千種区エリアを中心に、不動産の売却・買取から相続税務までをトータルでサポートしています。
「タワマン節税」は終わったんですか?
「タワマン節税は終わった」とよく言われますが、正確には「やりすぎに待ったがかかった」という状態です。
以前は、現金で1億円持っているよりも、1億円のタワマンを買ったほうが、相続税の計算上の価値(評価額)が極端に――場合によっては3割、4割まで――下がることがありました。これが「タワマン節税」の正体です。
しかし、「さすがに実勢価格(売買価格)と税金の評価額がズレすぎている」ということで、国税庁がルールを見直しました。
2024年からの新ルール
「実勢価格と評価額が離れすぎている場合は、補正しますよ(評価額を引き上げますよ)」ということになりました。
タワマンを買うこと自体は悪いことではありませんが、「節税のためだけに買う」という旨味は、以前よりずっと少なくなったのです。
次の流行は「一棟モノ」や「小口化」…でも、ちょっと待って
タワマンの扉が閉まりかけたとき、お金(節税ニーズ)はどこへ向かったのでしょうか?
そこで注目されたのが、「賃貸マンションの一棟買い」や、大きなビルなどを細かく分けて買う「不動産小口化商品(ふどうさんこぐちかしょうひん)」でした。
これは、「風船」に例えると分かりやすいかもしれません。
- タワマンを押さえる:風船の一箇所を指でギュッと押さえても、中の空気は消えません。
- 別が膨らむ:押さえられていない別の場所(一棟モノや小口化)が、プクッと膨らみます。
世の中の「節税ブーム」というのは、こうやって風船の膨らむ場所が変わっているだけ、とも言えます。
国税庁も「風船」を見ています
「おや、今度はこっちが膨らみすぎているな」と気づけば、国はまたそこをピンポイントで押さえにかかります。
実際、最近の政府の会議では、「一棟マンションや小口化商品を使えば、まだ節税効果が大きいようだが、これについてもルールを見直すべきではないか?」という議論が進んでいます。
まさに、対策と規制の「いたちごっこ」のような状態が続いているのです。
専門用語を使わずに読み解く「国の本音」
なぜ国は、次々と規制をかけるのでしょうか?
意地悪をしたいわけではありません。国が気にしているのは「公平かどうか」、ただ一点です。
「現金で持っている人」と「形を変えて不動産で持っている人」で、払う税金があまりに違うのは不公平だよね、というのが国の考え方です。
最近のニュースを見ると、横文字の難しい用語(NAVや流動性ディスカウントなど)が並んでいて頭が痛くなるかもしれません。でも、これらは忘れてしまって大丈夫です。
国の本音をすごく平たく翻訳すると、こうなります。
国のメッセージ(翻訳版):
「すぐに現金化できるものや、現金の代わりに持っているだけのものは、現金の価値に近い評価にしますよ」
この流れは、今後も変わらないでしょう。「この商品なら裏ワザで切り抜けられる」という抜け道を探しても、そこはすぐにまた「風船の押さえられる場所」になってしまうのです。
「商品探し」をやめて、「資産の棚卸し」をしませんか?
「じゃあ、結局どうすればいいの?」「うちは何をすれば正解なの?」
そう不安になるお気持ち、よく分かります。でも、だからこそお伝えしたいのは、「あわてて新しい節税商品に飛びつかないでください」ということです。
「次はこれが流行りだ」「いや、あれは危ない」といった情報に一喜一憂して、そのたびに資産を買い換えていては、手数料ばかりかかって手元のお金が減ってしまいます。
本当に大切なのは、「どの商品がおトクか」を探すことではありません。「あなたの今の資産状況で、何を守り、どう引き継ぎたいか」を固めることです。
- ご自宅の評価:土地・建物の評価は、今どれくらいになるのか?
- 賃貸アパート:将来の修繕費や空室リスクを考えても、本当に持ち続けるべきか?(あるいは、いい時期に売却して資産を組み替えるべきか?)
- バランス:現金と不動産のバランスは、相続税を払えるだけ確保できているか?
まずは、これらを整理する「資産の棚卸し(たなおろし)」が先決です。
現状が分かれば、「あえてリスクを取って節税商品を買う必要はない」と分かるかもしれませんし、「この古いアパートだけは整理しておこう」という対策が見えてくるかもしれません。
本山の事務所でお待ちしています
私たちSTF PropTech(エスティーエフ プロップテック)は、名古屋・千種区エリアを中心に、不動産の売却・買取から相続対策までをお手伝いしています。
「節税商品のパンフレット」を集めて悩む前に、まずは手ぶらで事務所にいらしてください。
「親から引き継いだ家があるんだけど」「最近、駅前の風景が変わって心配になってきた」……そんな世間話からで構いません。
風船の形を気にするよりも、どんな風が吹いても揺るがない、どっしりとした土台を作るお手伝いをさせていただきます。
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