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相続した実家の価値が変わる? 中部電力と都市OSが鍵?!
カテゴリ:不動産お役立ちコラム  / 更新日付:2025/05/02 11:43  / 投稿日付:2025/05/02 11:43

「相続した実家の価値が変わる?中部電力と都市OSが鍵」というテキストと、都市のシルエットのイラスト。中部電力と都市OSの進展が、相続した実家の価値に影響を与える可能性を示唆している。
都市OSと接続する不動産の未来

相続した名古屋の実家、価値の新基準は「街との接続」?


名古屋市内で実家などを相続したけれど、「売るべきか、持つべきか…」と悩んでいませんか?不動産の価値は、駅からの距離や新しさだけではありません。この記事では、これからの不動産価値を見る新しい「ものさし」=デジタルインフラへのアクセス性と、特に名古屋で注目される中部電力の動きから、あなたの相続不動産の未来を見つめ直すヒントを分かりやすくお伝えします。



1. もう「駅近・築浅」だけじゃない? 相続不動産の新しい価値基準


あなたが相続したその不動産、価値を測る「ものさし」が変わりつつあることをご存知ですか?これまで家や土地の価値は、駅に近い、建物が新しい、広い、といった目に見える条件が重視されてきました。しかし、たとえ古かったり不便な場所にあったりしても、すぐに価値がないと決めつけるのは早計かもしれません。なぜなら、これからの不動産は、そのものが持つ物理的な特徴だけでなく、「あなたの不動産がある『街』が将来どのように進化し、どんな便利なシステムやサービスと『接続』される可能性を秘めているか」という視点が重要になってくるからです。


これからの不動産価値を見る上で重要なのが「デジタルインフラへの“アクセス性”」という新しい考え方です。これは、あなたの家や土地が、将来的にどんな街のシステムやサービスと繋がっていく可能性があるか、という視点で価値を捉え直すものです。例えば、街全体がインターネットのようにつながり、エネルギー管理や交通、見守りサービスなどが連携する「スマートシティ」の動き。こうした未来の街のインフラ(都市OS と呼ばれます)に、あなたの不動産がどれだけ接続できるかが、新しい価値を生む源泉となるのです。


  • スマートシティとは? ITや環境技術などを活用して、生活の質を高め、都市運営を効率化する持続可能な都市のこと。
  • 都市OSとは? スマートシティを実現するため、交通・エネルギー・防災・行政サービスなど、街の様々な機能やデータを連携させるための基盤となるソフトウェアのこと。街全体の「基本ソフト」のようなものです (内閣府 スマートシティ)。

相続不動産の価値基準は、立地や築年数だけでなく「デジタルインフラへのアクセス性」へと変化しています。未来のスマートシティや都市OSとの接続可能性が、これからの資産価値を左右します。


2. まちづくりをリードする「中部電力」の新しい顔


この新しい価値基準を考える上で、特に名古屋圏で重要な役割を担うのが「中部電力」です。中部電力は、単に電気を供給する会社から、エネルギー供給網とIT技術を活かしてまちづくりそのものを手掛けるプラットフォーマーへと大きく変化しています。不動産事業を成長の柱と位置づけ、2025年には専門部署「不動産事業本部」を立ち上げるなど、本気度がうかがえます(日経 2024/11/26)。電力会社がまちづくり?と疑問に思うかもしれませんが、街の隅々に張り巡らされた電力網と、各家庭のスマートメーターから得られるデータは、未来の街の基盤を作る上で強力な武器になるのです。


中部電力グループは、すでに名古屋市周辺で未来を見据えた具体的なまちづくりプロジェクトをいくつも進めています。春日井市の「i-VILLAGE神領」(商業・住宅・大学連携)、名古屋市瑞穂区の「iiNEタウン瑞穂」(多世代共生型の商業・医療・福祉複合タウン、2024年開業)などがその例です [中電不動産 トップ 不動産会社ガイド SUUMO(スーモ)東海, p4]。さらに、名古屋競馬場跡地では、「ウェルネス・アソシエーション」をテーマに、大学や高齢者施設などを連携させる大規模な再開発も計画中です (中部電力 2021/6/24)。これらの開発は、単に建物を新しくするだけでなく、エネルギー効率や住民サービスを高める工夫が凝らされています。


中部電力のまちづくりが目指すのは、エネルギーとデータを活用した、より快適で安心な暮らしの実現です。例えば、スマートメーターの電力使用データからAIが高齢者の異変(フレイルの兆候)を検知し、自治体へ知らせる「eフレイルナビ」という見守りサービスは既に実用化されています(日経 2025/4/30) (中部電力 事業創造本部)。このように、中部電力はエネルギー供給を通じて得られるデータを活用し、私たちの生活をより良くするサービスを次々と生み出そうとしています。

中部電力は、エネルギーとデータを活用する「まちづくりプラットフォーマー」へ進化。神領、瑞穂、競馬場跡地などで未来型開発を進め、eフレイルナビのようなサービスを通じて都市OS的な役割を担い始めています。


3. 「街のOS」につながると、家の価値はどう変わる?


「都市OS」は、いわば「スマホのOS(基本ソフト)の街バージョン」と考えるとイメージしやすいかもしれません。これは、都市の様々なサービスやデータを連携させ、住民サービス向上や都市運営の効率化を図るための基盤であり、内閣府もその導入を推進しています (内閣府 スマートシティ)。スマホのOSが様々なアプリを動かす基盤であるように、都市OSはエネルギー、交通、防災、健康、行政といった街の様々なサービスやデータを連携させるための基盤ソフトウェアです。この基盤があることで、これまで別々だったサービスが連携し、例えば「家のHEMS (Home Energy Management System)と街の電力網が連携して電気代を最適化する」「交通情報と連動して最適な移動手段を提案してくれる」といった、よりスマートな暮らしが実現可能になります。


経済産業省が提唱する「ニブモデル (nib model)」は、この都市OS化が進むデジタル市場を理解するヒントになります(経産省 デジタル経済レポート 2025/4/30)。このモデルは、市場を(1)デバイス、(2)サービス、(3)OS/ミドルウェア、(4)インフラの4層で捉えます。重要なのは、ペン先(nib)のように細くボトルネックとなる層、特に「OS/ミドルウェア層」や「デバイス層」を押さえた企業が、市場全体に大きな影響力を持つという点です。都市OSはまさにこの「OS/ミドルウェア層」にあたり、これを制する者が、その上で動く様々なサービスや接続されるデバイス(不動産含む)の価値を左右する力を持つ可能性があるのです。


では、なぜ都市OSがあなたの相続不動産の価値に関わるのでしょうか? それは、不動産が単なる「箱」ではなく、都市OSというプラットフォームに接続される「情報端末」としての側面を持つようになるからです。例えば、「HEMS」 – 家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム (環境省) – を導入した家は、街全体の電力需給バランス調整に参加できたり、AIによる最適な省エネ運転の恩恵を受けられたりします。また、街の見守りネットワークに接続されれば、防犯・防災面での安心感が高まります。このように、不動産が都市OSと「接続」することで、利便性や安心・安全、経済性といった付加価値が生まれ、それが資産価値として評価される時代が来ているのです。


都市OSの先進事例を見ると、デジタルインフラへの“アクセス性”の価値がより具体的にイメージできます。中国・杭州市の「City Brain」は、アリババが開発し、交通データをAI解析して信号制御を最適化、渋滞緩和に大きな成果を上げています。日本では、千葉県の「柏の葉スマートシティ」が有名で、住民ポータル「Smart Life Pass」やデータ連携基盤「Dot to Dot」を通じて、健康サービスやエネルギー管理などを提供。この柏の葉の都市OSは、神戸市にも共同利用で導入され、都市OS展開のモデルケースとなっています (柏の葉スマートシティ)。中部電力が進めるまちづくりも、まさにこのニブモデルにおける都市OSプラットフォーム構築の試みであり、エネルギーインフラを基盤に多様な生活サービスを展開する点で、これらの事例と共通する未来像を描いています。

都市OSは「スマホOSの街版」のようなもので、様々な街のサービスを繋ぐ基盤です。あなたの家がこれに接続できれば、省エネ、安全、便利なサービスが受けられ、それが不動産の新しい価値となります。


4. あなたの相続不動産、「売らない選択肢」と「高める戦略」


「うちの相続した家は古いし、立地も良くないから売るしかない…」そう考えている方も、少し待ってください。ここまで見てきたように、不動産の価値基準に「デジタルインフラへのアクセス性」が加わることで、これまで価値が低いとされてきた不動産にも新たな光が当たる可能性があります。特に、中部電力が力を入れる開発エリアやスマートシティ構想地域に近ければ、将来的に都市OSの恩恵を受け、「売らないで持ち続ける」という選択肢が現実味を帯びてくるかもしれません。


では、具体的にどうすれば相続不動産の価値を高められるのでしょうか?その鍵の一つが「スマートホーム化」です。特にHEMS (ヘムス) やIoT (Internet of Things) 機器の導入は、将来の都市OSとの接続を見据えた有効な投資となり得ます。海外の調査では、スマート技術導入で不動産価値が最大5%程度アップしたという報告もあります。初期費用はかかりますが、光熱費の削減効果や、将来的な資産価値向上を考えれば、検討に値するでしょう。まずは、どのようなスマート機器が自分の家やライフスタイルに合っているか、情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。


最も重要なのは、受け身でいるのではなく、「地域のまちづくり」に関心を持ち、情報を集めることです。中部電力や自治体がどのような未来を描いているのかを知ることで、自分の不動産が将来どのような価値を持つ可能性があるのかが見えてきます。自治体のウェブサイトや説明会をチェックしたり、地域のイベントに参加したりする中で、将来のヒントが得られるかもしれません。これは、単なる情報収集ではなく、自分の大切な資産を守り、育てるための「攻めの資産防衛」と言えるでしょう。

「デジタルインフラへのアクセス性」が高ければ、古い家でも「売らない選択肢」が浮上します。具体的な価値向上策としてスマートホーム化(HEMS、IoT導入)が有効であり、地域のまちづくりへの関心と情報収集が重要です。


5. まとめ:新しい「ものさし」で相続不動産の未来を描こう


相続不動産の価値を測る「ものさし」は、立地や広さ、築年数だけで決まる時代ではありません。これからは、「デジタルインフラへのアクセス性」 – つまり、あなたの不動産が未来のスマートな街のシステムやサービスといかに接続できるか – が、その価値を大きく左右します。


特に、中部電力が進めるエネルギーとITを融合したまちづくりは、名古屋圏の不動産価値に大きな影響を与える可能性があります。同社の開発エリアやスマートシティ構想地域との「接続可能性」を意識し、スマートホーム化などを検討することが、あなたの資産価値を高める鍵となるでしょう。

名古屋の相続不動産価値は「デジタルインフラへのアクセス性」で変わる。中部電力の未来型まちづくりと都市OS化に注目。情報収集とスマートホーム化検討で、売却以外の選択肢も見えてくる。


【FAQ】よくあるご質問


Q: 都市OSは、具体的にいつ、どこで導入されるのですか?


A: 現時点では、中部電力が開発を進めるi-VILLAGE神領やiiNEタウン瑞穂、名古屋競馬場跡地などで、その基盤となる技術やサービスの導入が進んでいます。名古屋市全体で統一された都市OSがすぐに導入されるわけではありませんが、スマートシティ化の流れの中で、エリアごとに連携が進んでいくと考えられます。自治体や中部電力の発表を注視することが重要です。

Q: スマートホーム化は具体的に何をすればいいですか?


A: まずはHEMS(家庭のエネルギー管理システム)の導入を検討するのが良いでしょう。エネルギーの見える化や最適化に繋がり、将来の都市OSとの連携において中心的な役割を果たす可能性があります。その他、スマートロック、遠隔操作可能なエアコンや照明、見守りカメラなども利便性や安全性を高める選択肢です。ご自身の予算や目的に合わせて選びましょう。

Q: まちづくりに関する情報はどこで手に入りますか?


A: まずは、お住まいの市区町村のウェブサイト(都市計画課、まちづくり課など)を確認しましょう。スマートシティに関する計画や再開発情報などが公開されている場合があります。また、中部電力や、その不動産子会社である中電不動産のウェブサイトも、関連プロジェクトの情報を得る上で重要です。

Q: 相続した家が古いのですが、リフォームしてスマートホーム化する価値はありますか?


A: 建物の状態や立地、周辺の将来計画にもよりますが、価値を高める可能性は十分にあります。特に、都市OSとの接続性が期待できるエリアであれば、スマートホーム化は単なるリフォーム以上の付加価値を生む可能性があります。耐震性など基本的な性能も確認しつつ、専門家(建築士や不動産会社)に相談してみることをお勧めします。



名古屋での相続不動産、空き家活用のご相談はSTF PropTechへ


相続した不動産の価値をどう考え、どう活用していくか。未来を見据えた判断は難しいものです。私たちSTF PropTechは、名古屋市を中心に、不動産相続、空き家、不動産の売却全般に関する相談・査定・売却手続きをワンストップで提供しています。


今回の記事でご紹介した「デジタルインフラへのアクセス性」といった新しい価値基準や、スマートホーム化、地域の開発動向なども踏まえ、お客様の物件に合わせた最適な活用方法をオーダーメイドでご提案することが可能です。専門家チームによるサポート、相続特化のノウハウ、ワンストップサービス、PropTechの活用といった強みを生かし、単なる売却だけでなく、地域や社会貢献にも繋がる土地活用もご提案いたします。


専門家チームには税理士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(FP)などが在籍し、不動産、税務、資産運用の観点から的確なアドバイスを行います。初回のご相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。


参考文献

あなたの相続不動産の可能性を、「デジタルインフラへの“アクセス性”」という視点から見つめ直してみませんか?

監修者情報

佐治 英樹(さじ ひでき)
佐治 英樹(さじ ひでき)
税理士(名古屋税理士会), 行政書士(愛知県行政書士会), 宅地建物取引士(愛知県知事), AFP(日本FP協会)
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。

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