【2026年最新】名古屋市千種区の相続税路線価|池下駅前は82万円/㎡、今池最高路線価は伸び率鈍化
2026年(令和8年)7月1日、国税庁から令和8年分の相続税路線価が公表されました。相続税路線価は、相続税や贈与税で土地を評価する際の基準となる価格です。
名古屋市千種区では、池下駅前周辺の比較地点における令和8年分の相続税路線価が82万円/㎡となりました。前年(令和7年分)の75万円/㎡から、約9.3%の上昇です。
ただし、今回の発表において最も重要なのは、「価格が上がった」という事実だけで終わらせないことです。
相続や売却を考えるうえでは、価格水準そのものだけでなく、上昇の勢いが前年と比べてどう変わったかまで見る必要があります。
この記事の要点
2026年の千種区周辺の路線価は、上昇傾向は続いている一方で、今池の最高路線価を見ると前年より伸び率は鈍化しています。相続・売却の判断では、「上がった」という一点だけでなく、上昇の勢いがどう変わったかを見ることが重要です。
池下駅前周辺の路線価図では「820D」と表示
実態を示す実際の路線価図は、以下のようになっています。
路線価図の数字は、1㎡あたりの価額を千円単位で示します。そのため「820」は820千円、つまり82万円/㎡を意味します。また、末尾のアルファベット「D」は借地権割合60%を表します。
比較地点について
ここで取り上げている池下駅前周辺の数値は、路線価図上の比較地点としての確認です。個別の土地の評価額は、実際に接している路線、地積、奥行、形状、角地かどうかなどによって変わります。
今池の最高路線価:上昇は継続も「伸び率」は鈍化
千種税務署管内の最高路線価である「名古屋市千種区今池1丁目・広小路通り」のデータを見てみましょう。
- 令和8年分:120万円/㎡(1,200千円/㎡)
- 令和7年分:112万円/㎡(1,120千円/㎡)
価格の水準自体は上がっているものの、対前年の変動率を見ると、令和7年分の14.3%から、令和8年分は7.1%へ低下しています。
要点:2026年の千種区周辺の路線価は、上昇傾向そのものは続いています。ただし、今池の最高路線価を見る限り、前年のような急激な伸びに比べると、上昇の勢いはやや落ち着いてきたと捉えるのが実態に近いです。
今回のポイント比較表
池下駅前周辺、今池1丁目・広小路通り、地価公示の池下周辺標準地を並べると、次のようになります。
| 対象 | 令和7年分 | 令和8年分 | 変動率 | 動向の読み方 |
|---|---|---|---|---|
| 池下駅前周辺 比較地点 |
75万円/㎡ | 82万円/㎡ | 約+9.3% | 上昇が継続 |
| 今池1丁目・広小路通り 千種署管内最高路線価 |
112万円/㎡ | 120万円/㎡ | +7.1% | 上昇継続だが、伸び率は鈍化 |
| 地価公示「名古屋千種5-4」 参考情報 |
100万円/㎡ | 110万円/㎡ | +10.0% | 3月公表済みの補助情報 |
地価公示「名古屋千種5-4」は、池下駅前に近い標準地です。令和8年地価公示では1㎡あたり110万円、前年は100万円とされています。地価公示は毎年1月1日時点の標準地価格を示す制度で、7月1日公表の相続税路線価とは別の制度ですが、池下周辺の地価動向を補足する参考情報として見ることができます。
相続への影響:路線価上昇=相続税の比例上昇ではない
相続税路線価が上がると、相続や贈与の際の土地の評価額(相続税評価額)が高くなる可能性があります。
しかし、「路線価が約9.3%上がったから、相続税も同じように約9.3%上がる」とは限りません。相続税の具体的な税額は、路線価以外にも多くの要素を総合して計算されるためです。
- 土地の個別条件:面積、形状、奥行、間口、角地かどうか
- 権利関係:借地権、貸宅地、貸家建付地などの有無
- 特例の適用:小規模宅地等の特例を使えるか
- 相続人の人数:基礎控除額に影響
- 財産全体:預貯金、有価証券、債務、葬式費用など
特に、自宅や事業用地などでは小規模宅地等の特例の適用可否によって、相続税評価額が大きく変わる場合があります。
相続で確認したいこと
池下・覚王山・今池など、千種区内に不動産を所有している方は、今回の路線価上昇をきっかけに、土地の概算評価額と特例適用の可能性を一度確認しておくと安心です。
売却への影響:エリア需要は強いが、強気一辺倒は禁物
路線価の上昇や最高路線価の維持は、そのエリアに対する需要が依然として強いことを示す好材料です。
しかし、実際の売却価格(実勢価格)は、相続税路線価と必ずしも同じ動きをするわけではありません。特に池下駅前のように商業需要と住宅需要が混在するエリアでは、同じ町内であっても条件によって評価が大きく分かれます。
- 道路条件:広小路通などの幹線道路沿いか、一歩入った裏通りか
- 駅距離:池下駅・今池駅・覚王山駅から徒歩何分か
- 土地形状:整形地か、不整形地か、間口が十分か
- 用途の幅:住宅向きか、店舗・事務所・マンション用地として見られるか
- 建築条件:接道、容積率、既存建物の状態、解体費の有無
また、今池1丁目の最高路線価で伸び率の鈍化が見られるように、2026年は「地価が上がっているから強気の価格設定で問題ない」と言い切れる状況ではなくなりつつあります。上昇はしているものの、勢いは前年よりマイルドになっているという視点が必要です。
売却を検討する際は、公的価格だけで判断せず、実際の最新の市場取引データや、近隣の成約事例、買主層の動きを確認することが重要です。
関連記事 名古屋市千種区の地価はなぜ上がる?2025年の地価上昇要因を見る 前年の千種区・池下周辺の地価上昇について、背景要因を整理した関連記事です。固定資産税とは別物として考える
「相続税路線価が上がったから、固定資産税も同じように上がるのでは?」と心配される方もいるかもしれません。
ただし、相続税路線価と固定資産税路線価は別の制度です。固定資産税の計算には、名古屋市が公開している固定資産税(土地)の評価額の基礎となる路線価や修正率などが使われます。名古屋市公式サイトでも、固定資産税の路線価と相続税の路線価は区別されています。
固定資産税の確認方法
固定資産税の負担額を正確に把握したい場合は、相続税路線価ではなく、名古屋市の固定資産税路線価図や、毎年送付される納税通知書・課税明細書を確認しましょう。
千種区に不動産を持つ方が確認したいこと
今回の路線価公表をきっかけに、相続・売却のどちらを考える場合でも、次の順番で状況を整理すると判断しやすくなります。
| 確認したい視点 | 具体的なチェックポイント |
|---|---|
| 所有地の場所 | 池下・覚王山・今池など、どの駅勢圏に近いか |
| 接している路線 | 路線価図上で、実際に接している道路の価格を確認できているか |
| 前年との変化 | 価格そのものだけでなく、伸び率の変化まで確認しているか |
| 相続税評価の個別補正 | 奥行、形状、角地、不整形地などの補正を確認できているか |
| 特例の可能性 | 小規模宅地等の特例など、評価額を大きく変える制度を確認できているか |
| 売却時の実勢価格 | 路線価ではなく、近隣の成約事例や買主需要を確認できているか |
公的価格は、判断の出発点として非常に重要です。
一方で、相続税評価も売却価格も、最終的には個別の土地条件によって結論が変わります。
池下・覚王山・今池のように地価上昇が続くエリアでは、数字だけを見るのではなく、相続・税務・売却の選択肢をあわせて整理することが大切です。
まとめ
要点:2026年の千種区周辺の地価は、上昇は継続しているが、伸び率はやや鈍化しているとまとめることができます。
2026年(令和8年)分の相続税路線価において、名古屋市千種区・池下駅前周辺の比較地点は82万円/㎡となり、前年から約9.3%上昇しました。
一方、管内最高路線価の今池1丁目・広小路通りは120万円/㎡となったものの、対前年変動率は前年の14.3%から7.1%へ低下しており、上昇の勢いには落ち着きが見られます。
- 相続を控えている方:土地の評価額を見直し、具体的な対策を検討する良いタイミングです。
- 売却を検討している方:公的価格の数字だけで一喜一憂せず、実際の市場で売れる価格(実勢価格)を慎重に見極めるタイミングです。
池下・覚王山・今池をはじめ、千種区周辺に土地や建物を所有されている方は、今回の路線価公表を機に、ご自身の不動産の現在価値を一度整理してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q. 相続税路線価が上がると、相続税も必ず上がりますか?
A. 必ずしもそうではありません。土地の評価額は上がる可能性がありますが、相続税は相続人の人数、基礎控除、他の財産や債務、小規模宅地等の特例の適用可否などを含めて計算します。路線価の上昇率と税額の上昇率は一致しないことがあります。
Q. 路線価図の「820D」はどう読めばよいですか?
A. 「820」は1㎡あたり820千円、つまり82万円を意味します。末尾の「D」は借地権割合60%を表します。
Q. 相続税路線価と売却価格は同じですか?
A. 同じではありません。相続税路線価は相続税・贈与税の評価に使う基準であり、売却価格は実際の市場で買主が支払う価格です。売却を考える場合は、路線価だけでなく、近隣の成約事例や買主需要を確認する必要があります。
Q. 固定資産税も同じように上がりますか?
A. 相続税路線価と固定資産税路線価は別の制度です。固定資産税の確認には、名古屋市の固定資産税路線価図や納税通知書・課税明細書を確認してください。
STF PropTechのご紹介
参考資料
- 国税庁 名古屋国税局「令和8年分の路線価等について」
- 国税庁 令和8年分 財産評価基準書 路線価図 41037(名古屋市千種区)
- 国税庁 令和7年分 財産評価基準書 路線価図 41037(名古屋市千種区)
- 国税庁「路線価図の説明」
- 国税庁 名古屋国税局「令和8年分 名古屋国税局各税務署管内の最高路線価」
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ「地価公示」
- 国税庁 タックスアンサー No.4124「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例」
- 名古屋市「固定資産税路線価・修正率一覧表」
- STF PropTech「名古屋市千種区の地価はなぜ上がる?2025年の地価上昇要因を見る」
- 名古屋相続税無料診断センター
記事の制作について(免責)
本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の不動産取引・税務判断・法務判断の助言ではありません。相続税評価、特例適用、売却価格の判断は、土地の個別事情によって結論が変わります。最終判断は必ず専門家へご相談ください。
本記事は掲載時点の公開情報をもとに作成しています。路線価、地価公示、制度、市況、手続きは変更される可能性があります。






