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愛知で巨大物流施設が急増する理由とは?空室率悪化でも建つ背景
カテゴリ:不動産お役立ちコラム  / 投稿日付:2026/04/16 14:12

最終確認日:2026-04-19

愛知で巨大物流施設が急増する理由とは?空室率悪化でも建つ背景
愛知・岐阜・三重の名古屋圏では、ここ3年で景色を変えるほど大型物流施設が急増している

建築費も土地も高いのに、なぜ愛知では巨大物流施設が建ち続けるのか?

愛知県内やその周辺を走っていると、ここ数年で大型の物流施設が目につくようになったと感じる方も多いかもしれません。数字だけを見ると、この動きは少し不思議です。建築費も土地代も高く、名古屋圏の大型物流施設の空室率は2025年10〜12月期(Q4)時点で15.5%と、東京圏や大阪圏より高めです。にもかかわらず、新しい施設の開発は止まっていません。

結論から言えば、これは単なる「物流需要が伸びているから」という話ではなさそうです。むしろ今起きているのは、これまでの運び方のままでは物流網を維持しにくくなり、そのために拠点の置き方そのものが見直されているという変化に近いと考えられます。愛知の土地需要を見る目も、この変化を前提にすると少し変わってきます。

空室率15.5%でも建設が止まらない理由

CBRE(事業用不動産サービス会社)の2026年1月30日公開データによると、名古屋圏の大型物流施設は2025年Q4時点で空室率15.5%、実質賃料は3,730円/坪でした。一見すると、空室率が高い以上、「建てすぎではないか」と見たくなります。

ただ同じデータでは、その四半期に竣工した3物件すべてで成約があり、既存物件でも空室消化が進んだとされています。つまり、名古屋圏の物流施設市場は「全部が強い」わけでも、「全部が余っている」わけでもありません。市場の中で、今の物流に合う立地や機能を持つ施設が選ばれやすくなっていると言えるでしょう。

空室率は高いが賃料も上がる名古屋圏物流市場の読み方を示した比較図
市場全体の空室率と、選ばれる新規物件の需要を分けて読むための比較図。

「需要が伸びている」だけでは説明できない

では、なぜその入れ替えが起きているのでしょうか。大きいのは、2024年4月からトラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用されたことです。国土交通省は、何も対策を講じなければ営業用トラックの輸送能力が2024年度に14%2030年度には34%不足する可能性があると示しています。

このとき問題になるのは、荷物が増えたかどうかだけではありません。これまでのように、一人のドライバーが長距離をまとめて走り切る前提が持ちにくくなり、運び方自体を変える必要が出てきたことです。

そこで注目されるのが中継輸送です。中継輸送とは、一つの長距離輸送を複数のドライバーで分担する運び方です。これは単なる効率化策というより、労働規制の下でも物流を維持するための再編策なのです。

ドライバー規制の変化から中継輸送と拠点再編につながる流れを示した因果図
労働規制の変化が、運び方と必要な拠点の形をどう変えるかを示した図。

この文脈に立つと、新しい物流施設は「荷物を置く箱」ではなく、物流ネットワークをつなぎ直す装置として意味を持ちます。だからこそ、建築費が高いから即停止、空室率が高いから即過剰、という読み方だけでは足りません。

愛知で評価されているのは「広さ」より「結節点としての機能」

愛知が注目される理由も、単に土地があるからではありません。愛知県自身が案内している通り、この地域は日本の中央に位置し、東名・名神・伊勢湾岸などの道路網、名古屋港、中部国際空港を持つ陸・海・空の物流拠点です。

さらに愛知は、2023年の製造品出荷額等が58兆218億円で、47年連続全国1位の製造業集積地でもあります。つまり、愛知では「どこか遠くへ送るための通り道」としてだけでなく、ものづくりの現場と全国物流をつなぐ拠点としての意味も重なります。

この条件を考えると、愛知周辺で新しい物流施設が評価されるのは、広い箱だからというより、物流網のどこにつながり、どんな役割を果たしやすいかが問われているからだと考えられます。

ただし、どの土地でも同じように強いわけではない

ここで注意したいのは、「愛知で物流施設が増えている」ことと、「愛知の土地はどこでも物流向きで強い」ことは同じではないという点です。むしろ、物流網の再編が進む局面では、立地と機能のズレがこれまで以上に問われやすくなります。

高速道路への接続、港湾や工業地帯との距離、周辺道路の処理能力、求められる荷役機能や床仕様など、評価軸はかなり具体的です。そのため、土地需要があること自体は事実でも、それが広く均一に波及するとは限りません

このテーマを不動産側から見るなら、愛知の地価や需要を読むときに「用途の相性」をこれまで以上に意識する必要がある、という理解の方が大切でしょう。

愛知の土地需要を見る目も少し変わる

愛知で巨大物流施設が建ち続けている背景には、景気の勢いだけではなく、物流の仕組みそのものを組み替えなければ回らなくなる現実があります。その変化を支える立地として、愛知の結節点性と産業集積が改めて評価されている。今回の現象は、そう読む方が納得しやすいはずです。

相続不動産や土地を考えるときも、今後は「空いている土地かどうか」だけでなく、「どのネットワークとつながりやすい土地か」という見方が重要になる場面が増えるかもしれません。愛知の物流施設ラッシュは、そのことを先に見せている現象の一つと考えられます。

まとめ

要点:愛知の物流施設ラッシュは、単なる需要増ではなく、物流再編と立地機能の再評価として読む方が実態に近い。土地を見るときも、広さだけでなく接続性と用途適合を意識することが重要です。

よくある質問

空室率が高いのに、なぜ新しい物流施設が増えているのですか?

空室率だけを見ると供給過剰に見えますが、実際には古い倉庫から、今の物流に合う新しい拠点への入れ替え需要が進んでいる可能性があります。

これはネット通販の伸びだけが理由ですか?

その面もありますが、それだけでは足りません。2024年問題への対応で、長距離輸送のやり方自体を見直す必要が出ていることも大きいです。

なぜ愛知が注目されるのですか?

愛知は日本の中央にあり、高速道路、港湾、空港がそろう結節点だからです。製造業の集積地であることも、物流拠点として評価されやすい理由の一つです。

これからもどこでも建ち続けるのでしょうか?

どこでも同じように評価されるわけではありません。今後は広さだけでなく、交通ネットワークとの接続や施設機能との相性で差が出やすいとみられます。

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土地の見方を整理したい方へ

愛知で物流施設が増えているからといって、どの土地でも同じように評価されるわけではありません。大切なのは、その土地がどのネットワークにつながりやすく、どんな用途と相性がよいかを整理して見ることです。相続不動産や売却判断も、その視点を持つと見え方が変わることがあります。

記事の制作について(免責)

本記事は、公開資料・公式文書・報道等に基づき作成しています。個別の不動産・税務判断は状況により異なるため、最終的な意思決定は必ず専門家へご相談ください。

本記事の作成にはAIを活用していますが、最終確認は税理士兼宅建士の佐治英樹が行っています。

監修者情報

佐治 英樹(さじ ひでき)
佐治 英樹(さじ ひでき)
税理士(名古屋税理士会), 行政書士(愛知県行政書士会), 宅地建物取引士(愛知県知事), AFP(日本FP協会)
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。

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